全ライダーを突如奈落に叩き落とすバイクの「バッテリー上がり」
これが出先とかだと本当に焦りますよね。
今回はバッテリーが上がった時の対処法や、考えられる原因を紹介します。
Contents
バイクのバッテリー上がり対処法
ツーリング先でちょっと休憩
さて出発とセルボタンを押すと…
「あれ…かからない…」
バッテリーの何が怖いって、こうして突然死する事があるんですね。
こうした自体に陥らない為、普段からバッテリーのコンディションを維持しておく必要があります。
しかし出先でバッテリーが死んだ場合、とにかくエンジンをかけなければ…
バッテリーが上がった状態でエンジンをかける方法は
・押しがけ
・ジャンプスターター
この2つが現実的です。
押しがけのやり方
試した事がないと難しそうに思える押しがけですが、コツを掴めば意外と簡単
バッテリー上がりであれば、これでエンジンがかかります。(インジェクション車は押しがけができない様です)
大型バイクの場合は誰かに後ろから押してもらったり、下り坂で押しがけすると成功しやすいです。
【ハウツー】バイクの押しがけ方法
ジャンプスターターを使う
少し前まで「押しがけが成功しない…」となれば、 最後の手段は「ブースターケーブル」でした。
いわゆる「ジャンプスタート」と呼ばれる、他の車両から電気を借りてエンジンを始動する方法ですが、出先でこれを行うには協力してくれる車両を探さなければなりません。
見知らぬ地で、見知らぬ人に「すみません…電気を貸して頂けないでしょうか…?」
なかなか誰にでも出来る方法ではありません。
そんな時に便利なのが、携帯可能な「ジャンプスターター」というガジェットです。
スマホのモバイルチャージャーの様なもので、上がってしまったバッテリーに繋いで電力を補うという超頼もしいガジェットです。
こちらはAmazonでもベストセラー1位を獲得した、スマホの充電も出来るジャンプスターター
価格も安くサイズも小さいので、ロングツーリングなどのお供に超頼もしいです。
バッテリーを上げない為の2つの対策
長期間乗らない時はバッテリーを外しておこう
実はバッテリーは使ってなくても自然と放電しています。
バイクに乗っていれば走行中に充電されますが、乗っていない時は充電もされず ただただ放電しっ放しです。
これが長期間になると、徐々にバッテリーは弱っていき寿命を迎えてしまいます。
それを防ぐために、長期間バイクに乗らない場合はバッテリーを外しておきましょう。
しかし「電気」という得体の知れないパワーから、バッテリーの取り外しはちょっと怖いというライダーも多いと思います。
バッテリーの取り外し方は
「マイナスに始まり、マイナスに終わる」
これを覚えておけば安全です。
外す時は端子のマイナスから、逆に付ける場合は端子のプラスから付け、最後にマイナスです。
バッテリー充電器
新しいバッテリーを買った時や、バッテリーを上げてしまった時に常備しておきたいバッテリー充電器
長期間乗らない時はバッテリーを車体から外して、更に充電しておくと完璧です!
対応する充電器を持っていればそれで良いのですが、これから準備する場合はこちらがおすすめ
あらかじめバッテリーにケーブルを装着しておく事で、次回以降シートを外さずそのまま充電が出来るという優れものです。
頻繁にバッテリーが上がる原因
バイクのバッテリーが上がってしまった後、充電や新品への交換で「なおった!めでたし!」となっていませんか?
バッテリー上がりの理由には、確かに寿命や突然死が多いのですが、他のパーツが故障した結果である場合もあります。
「新品に変えたのに、また直ぐバッテリーが上がってしまう…」
充電で再使用したバッテリーなら「寿命では?」とも思えますが、新品であればバッテリー以外のパーツが故障した可能性が出てきます。
因みにここでは、どのパーツが悪さをしているか確実に確かめる為、トラブルシューティングに「テスター」と呼ばれる計器を使用します。
1000円程で手に入るので用意しておくのがおすすめです!電装系のパーツは中々いい値段しますので、確実な診断をする事で無駄な出費を抑えられます。
バッテリー電圧の計り方
テスターを用意したら、まずはバッテリーの電圧を計ってみましょう!
ここでの計測で問題がバッテリーなのか、それ以外なのか確かめることができます。
まずはテスターのダイアルをDC20に合わせます。テスターによってDCVだったりVーと表記されたりします。
(※電気系が苦手なライダーはこの時点で訳が分からないと思いますが、僕も理屈はよく分かってないので一緒にやりましょう)
次にテスターの赤をプラスに、黒をマイナスに付けバッテリーの電圧を計ります。
・電圧が12v〜13vならバッテリーは正常です。
・12v以下、11vなどの場合バッテリーが上がっています。→充電または交換へ
次にテスターを繋いだままエンジンをかけてみましょう。そして少しアイドリングした後、回転数を上げていきます。
・テスターの数値が+1.0v(通常時が12vなら13vなど)を示せば充電・発電系には問題なし。正常です。
・電圧が13v〜12vなど、エンジン始動前より低下する。→レギュレーターまたはジェネレーターの異常
・回転数に応じて電圧が無限に上昇する→レギュレーターの故障
となります。
もしこのテストで各部正常なのにバッテリーが上がるという場合は、どこかで漏電していたり、電装系をいくつも増設している事が原因だったりします。
レギュレーター(レクチュアファイアー)
先ほどの計測で電圧が下がった、電圧が異常に上昇するという場合、まずはじめに怪しいのは「レギュレーター」です。
レギュレーターは、ジェネレーター(下記で説明)から発せられる膨大な電気を整え、バッテリーに戻すという役割を担っています。
しかしこの「膨大な電気」によりレギュレーターは熱を持ちやすく、高温による負荷で壊れてしまう事があります。
いわゆる「レギュレーターのパンク」と呼ばれる良くあるトラブルです。
このレギュレーターが壊れると発電した電気が正常にバッテリーに戻らず、充電が行われない→バッテリーが上がるという結果になります。
レギュレーター故障診断
まず一番カンタンなのは、エンジンがかかる場合グルッと10分ぐらいバイクを走らせてみましょう。
その後レギュレーターを触ってみます。
・冷たい場合
レギュレーターが死んでるorジェネレーターが死んでる→ジェネレータの測定へ
・熱くて触れない場合
レギュレーターの故障
となります。
正常である場合は適度に温かくなっているはずです。
また、レギュレーターが冷たい場合は完全に死んでいるか、ジェネレータが故障して電気が来ていない可能性があるので、ジェネレーターを測定してどちらが犯人か見極めます。
その他、レギュレーターが故障した際の症状は…
・ヘッドライトなど、バルブの球切れが頻発する。
・バッテリー液が漏れる(端子に白い粉が付着する)
などなど固有のトラブルが発生します。
・ジェネレータ(オルタネーター)
電力を貯蔵するバッテリー
電力整えるレギュレーター
そしてその根底であるバイクの発電を担うのがジェネレーターです。
オルタネーター、ピックアップコイルとも呼ばれます。
ジェネレーターはエンジンが駆動する事で発電し、その電力はレギュレーターを通してバッテリーへ充電されています。
滅多に壊れる部品ではありませんが、ジェネレーターが故障すると何度バッテリーを換えても充電がされないので、バッテリー上がりを繰り返す事になってしまいます。
ジェネレーターの故障診断
一番カンタンな診断方法は、やはり触ってみる事です。
こちらもエンジンが始動出来る場合は少し走行するなり、アイドリングするなりしてジェネレーターが熱を持つか試します。
エンジンの熱で判断が難しい場合もありますが、冷たい場合は発電していないと判断できます。
さらに確実に診断するには、テスターを使ってジェネレーターとレギュレーターを繋ぐカプラー測定します。
テスターのダイヤルはACVまたはV〜に合わせ、ジェネレーター側のカプラーをそれぞれ測定します。(このダイヤルの場合は、テスターのプラス・マイナスは関係ありません)
車種によってカプラーの端子の数は異なりますが、例えば写真の様に3つの場合、「A+B A+C B+C」という様に全パターンを測定します。
エンジンをかけ、回転数に応じてテスターの数値が上がる様ならば正常です。
故障している場合はそもそも回転数を上げても数値が出なかったり、一部のパターンのみ数値が低かったりします(例:A+Bで60vであったのに、B+C数値が明らかに低いなど)
こちらの動画が非常に分かりやすくまとめられていました。文字で見るより難しさはありません。
【バイク】レギュレーターとジェネレーター 【点検 修理 交換】 充電系を簡潔に解説
バッテリー上がりまとめ
バッテリー上がりの対処法や原因についてまとめました。
バッテリーを上がらせないためには…
・長期間乗らない時はバッテリーを外しておく
・バッテリー充電器で充電する。
バッテリーが頻繁に上がる場合は…
・ジェネレーターorレギュレーターが故障している可能性
・テスターを使ってトラブルシューティングをする。
文章にするとかなり小難しく感じると思いますが、実際やってみると大した事はありません。
余計な出費を増やさない様、焦らず冷静にトラブルシューティングを行なってください!